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フランス骨董・アンティーク・ヴィンテージにまつわる用語集

1989年から2003年までの14年に及んだフランスの生活。色々な楽しいことがありましたが、週末に朝早く起きての「ブロコント」巡りは思い出に残っています。専門誌を購読して知識が増えていくに従って、モノを見る目がどんどんと変わっていったのが、自分ながら驚きでした。

このページに来られた方は、古いものがお好きなのだと思います。探しておられる用語や説明が見つかることを願っています。

なお、用語の読み方(発音)ですが、どちらかというと現地での発音に近い表記にしています。
例えば、「ブロカント」ではなく「ブロコント」。詳しくは「フランス風の読み方」にまとめていますので、よろしければお読み下さい。

2003年からは日本でフランス語翻訳を生業としています。私信やファンレターの翻訳からビジネス関係の文書の翻訳証明書の翻訳など、何でも対応できますので、何かございましたらお声をお掛け下さい。

お願い

著作権法で認められている「引用」の範囲を越えた利用を希望される場合は事前にご連絡いただきますようお願いいたします。また、「引用」による利用の場合は、出典情報として引用元URLへのリンクを入れて下さいますよう、お願いいたします。

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用語 読み方 説明

食器類

Assiette

アシエット

(主に円形の)平皿・小皿。

Assiette à bouille

アシエット ア ブイイ

底部の空洞に温水を注ぎ、保温効果を得られる厚めの皿。主に子供用として1920年頃に登場。原型は2枚重ねで使用された Assiette chauffante。

Barbotine

バーボティン

半液体状の粘土を用いて、陶器・磁器にレリーフ(立体装飾)を施す手法。取っ手・注ぎ口・脚などを付加することにも用いられる。

Basalte noir

バザルト ノワール

鉄・マンガンから得るツヤのある独特の黒い陶器。ギリシャの花瓶やカメオを模し、18世紀末にウェッジウッドが製作した。

Bayeux

バイユー

ノルマンディー地方の磁器。伊万里焼の影響が見られる。

Boulede neige

ブル ド ネージュ

マイセンが導入した繊細な白い花模様。19世紀には各地へ広まった。

Caen

コン

ノルマンディー地方の街。1793年から1806年にかけて磁器を生産した。

Compagnie des Indes

コンパニー デ アンド

インド会社を通じ輸入された中国の焼物の通称。

Céramique

セラミック

陶土器・陶器・磁器全般の総称。

Chelsea

チェルシー

ロンドン郊外の磁器工房。1745年頃に創業、マイセンや伊万里の影響を受けた。1784に閉鎖。

Compotier

コンポティエ

テーブル上に果物やマーマレイドなどを供するための大皿(現在でいうコンポートよりかなり大きい)。18世紀に登場。大抵装飾がつきもの。素材は多様。

Coupe

クップ

脚付きの皿・杯。

Cream Ware

クリーム ウェア

磁器に似せた陶器を作る工法。J. Wedgwood ウェッジウッドにより1760年頃考案された。

Delft

デルフ

オランダの街。デルフト焼き。中国や伊万里の影響を受け、肌の白い陶器を生産した。置物として小さな像も知られる。

Douai

ドゥエ

フランス北部の町。1781年から1820年まで陶器工房があった。

Drageoir

ドラジュワール

主にドラジェ(アーモンド菓子)を載せる脚付きの皿(杯)。

Faïence

ファイオンス

陶器。柔質な粘土を素材に、釉薬を掛けて焼いたもの。

Fêlure

フェリュール

ヒビのこと。

Gien

ジアン

ジアン陶器。1822年創業。現在でも手書きの陶器を作っている。

Grès

グレ

陶土、陶土器。砂化のある特殊な粘土が素材、高温(1200-1400度)で焼成。耐水性があり釉薬が不要。古代中国から知られ、15世紀に西洋へ伝わった。

Islettes (les)

イズレット

イズレット陶器。1735年-1848年。

La Rochelle

ラ ロシェル

大西洋岸の街。18世紀より陶器の生産が行なわれる。

Légumier

レギュミエ

野菜を供するための深めの皿。銀器・陶磁器でふた付き。

Lenoble

ルノーブル

Emile Lenobleエミール ルノーブル(1875-1940)。アール デコ作陶家。

Limoges

リモージュ

リモージュ焼き。特徴ある紺の釉の生産は15世紀に遡る。1766年にクレー層が発見され磁器の生産が始まり、1774年には王立となった。

Lithophanie

リトファニー

1827年、Bourgoing男爵により考案された磁器の装飾法(後にMeissen マイセンが取得)。

Longwy

ロングウィ

ロングウィ陶器。18世紀開窯。型による成型と独特な釉彩色が特徴。

Majolique

マジョリック

マジョリカ焼き。錫を含む釉薬による独特な肌合いが特徴。今日では乳白地に多色模様のイタリア産陶磁器を指す。

Meissen

マイセン

1710年創業のドイツの磁器メーカー。Johann Gregor Horoldt (1720-1745)の功績が大きい。19世紀には高品質を保ちつつ機械工業化に成功。

Nevers

ヌヴェール

16-18世紀に栄えた陶器。当初のイタリア風から東洋テイストを取り入れた色彩豊かなモチーフが人気を得た。スローガンのような文句なども書かれ、大衆に人気があった。

Paris

パリ

パリ焼き。1770年頃より存在し、常に Sèvres セーヴル焼き の影響を受けた。

Porcelaine

ポースレン

磁器。

Poterie

ポトリー

陶器・素焼き。また、その製造所。

Présentoire

プレゾントワール

オードブルやフルーツを盛った大皿。直径25cm以上はあり、仕切りがついてあることも多い。

Quimper

カンペール

カンペール陶器。ルーアン陶器の影響を受ける。ブルターニュ地方風デザインが人気。

Rosenthal

ローゼンタール

1879年創業。常に時代の流れを行く食器類を作った。Salvador Dali サルバトール ダリ などもデザインに関わった。

Rouen

ルオン

ルーアン焼き。ノルマンディー地方の街。16世紀より作陶され、他に大きな影響を与えた。

Saucière

ソーシエール

煮汁やソースを卓上に供する時のソースボート。(日本ではよくこれでカレーが出てきます)

Saint-Amand-les-Eaux

サン-タモン-レ-ゾー

フランス北部の街。1718年に開窯。

Saint-Gobain

サン ゴバン

ガラス産業で有名なフランス東部の街。1695年、王立となり専売権を得る。流し込み技法による鏡の製法の発明が知られる。

Sarreguemines

サーグミン

サーグミン陶器。1770年頃開窯。19世紀には様々な場面(狩り・逢引き・兵隊・景色など)をモチーフとし、プリント装飾した。

Sèvres

セーヴル

セーヴル磁器。1738年開窯のヴァンセンヌ王立磁器工房が1756にセーヴルに移転。ルイ15世とポンパドール夫人の所有となり、優美な作品を生産した。

Wedgwood

ウェッジウッド

1759年 Josiah Wedgwood (1730-1795)が創業。有名なクリームウェア・バザルトを生み出した。またローマ期のカメオを模した Jaspe ジャスプ も成功を収めた。

朝食・カフェ雑貨・紅茶

バターナイフ・トースト立て

Bec d'aigle

ベック デーグル

ポット(水差し)の注ぎ口の先端で下方に反っている形状を指す。銀器のポットによく見られる。

Bol en faïence

ボル オン ファイオンス

カフェオレボウルのこと。Gien(ジアン)が初めて量産、19世紀末より流行。他に、Creil et montereau、Sarreguemine(サーグミン)、Digoin(ディゴワン)、Badonviller、Lunéville、Choisy-le-Roi。17世紀に同様のものが存在していた(Creusequin)。

Bouilloire

ブイヨワー

お茶の湯を沸かすための「やかん」。17世紀に登場。銀やその他の金属で作られた。

Bouillotte

ブイヨット

お茶の湯を沸かすための「やかん」で陶器製のもの。

Broc

ボロ

水差し、ジョッキ。Pichet ピシェとほぼ同義。動物・人物などに似せた形状のものもある。ガラス以外のものを指すことが多い。

Cabaret

キャバレ

(コーヒーや紅茶の)ポット・ミルクポット・砂糖入れ・カップ・受け皿のセット一式のこと。またそれを載せるお盆(プレート)のこと。

Carafe

カラフ

水差し、ワイン入れ。ガラス製。柄が無いもの(あるものはPichet ピシェ)。

Château La Pompe

シャトー ラ ポンプ

レストラン業界で「水道水」のこと。

Chocolatière

ショコラティエール

ホットチョコレートポット(ココアポット)。真横に伸びる柄が特徴。17世紀ぐらいから広まった。

Coquetier

コクティエ

エッグスタンド。卵を立てて食べやすくする(Porte-oeufs=卵置きと異なる)。16世紀に登場、19世紀末に一般普及。素材は多様、脚の有無は問わない。贈答用の銀製品などに限り、揃いのスプーンが付くことがある。

Crémier

クレミエ

ミルクピッチャー。

Creusequin

クルーズカン

(カフェオレボウル欄参照)

Jacquot
Jacqueline

ジャコ
ジャクリーヌ

人を模した、色彩豊かなピシェ(水差し)。フランス北部やフランドル地方(リール・デーヴル・デルフ)で作られた。

Service à 〜

サービス ア 〜

「〜セット」の意。Service à café と言えばコーヒーカップの他に、例えば受け皿・ポット・砂糖入れが付く。

Sous-tasse

スー タス

カップの受け皿。

Tasse

タス

ティーカップ・コーヒーカップ。

Théière

テイエール

ティーポット。Thé=茶。

Trembleuse

トロンブルーズ

カップが滑らないように窪みがある受け皿。

テーブルアクセサリー

調味料入れ・栓抜き・テーブルクロス

Dessous de plat

ドゥスー ド プラ

鍋敷き。Repose-plat とも言う。

Fourchette

フォシェット

フォーク。16世紀に登場、アンリ3世の宮廷が最初と言われる。17世紀になり、3本歯のものが普及。スプーン・ナイフとのセットはこの頃登場した。4本歯のフォークは18世紀になってから。

Huilier

ユイリエ

油差し。

Ménagère

メナジェール

ナイフ・フォークセット。特にケース入りの場合に使われることが多い。

Moutardier

ムターディエ

卓上カラシ(マスタード)入れ。

Pichet

ピシェ

ピッチャー、水差し。素材は銀・陶磁器・ガラスなどさまざま。柄があるもの(無いものは Carafe カラフ)。

Plateau

プラトー

お盆。

Poivrière

ポワヴリエール

コショウ入れ。Poivrer(コショウを振る)から。

Pince à sucre

パンス ア シュークル

角砂糖はさみ。

Porte-couteaux

ポルト クトー

ナイフ置き。まさに日本での箸置き

Porte-oeufs

ポルト オフ

卵置き。

Pot à sucre

ポ ア シュークル

砂糖を入れる小壺・ビン(ふた付き)。

Ramasse-miettes

ラマス ミエット

パンくず拾い。チリ取りとブラシのセットが普通。

Rond de serviette

ロン ド サーヴィエット

ナプキンリング。

Salière

サリエール

塩入れ。Saler(塩を振る)から。

Saupoudreuse

ソプドルーズ

(主に)砂糖の振りかけ器。

Vinaigrier

ヴィネグリエ

酢(ワインビネガー)差し。醤油入れのようなもの。

グラス類

アペリティフグラス・リキュールグラス・ボトル・・ガラス盆・プレート・

au Ballon

オ バロン

「球形の」の意。1783年の気球成功がきっかけで取り入れられたデザイン。
球形コップ(verre ballon)は食後酒などを掌で温める効果が得られる。

Baccarat

バカラ

フランス東部に位置する街。1764年、Louis de Monmorency-Laval 司教が、7年戦争(1756-1763)で荒廃したバカラ村にガラス工房を開くことを決め、ルイ15世の認可を受けた。この工房は サン=タンヌ Sainte Anne と呼ばれ、窓ガラスや鏡などを作った。フランス革命で荒廃したが、1816年ベルギー人のクリスタル業者 Aimé-Gabriel d'Artigues が買取り、クリスタル生産を開始して再興する。絶え間ない技術革新により、1823年にルイ18世より発注を受けたのを皮切りに、シャルル10世、ルイ=フィリップ、ナポレオン3世のご用達となる。クリスタル製品の他、オパリン製品やペーパーウェイトが人気を博した。

Bellarmino

べラーミノ

15世紀から19世紀末まで広く普及した陶土器のジョッキ・カラフなどで、ヒゲ面の顔が装飾されているもの。16世紀の枢機卿 Roberto Bellarmino と容姿が似ていたことに由来。

Biberon

ビブロン

哺乳瓶(ほにゅうびん)。19世紀末よりガラス化した。

Biseautage

ビゾタージュ

ガラスのカットで、斜めにカットすること。

Bristol

ブリストル

18世紀に15のガラス工房があったイギリスの街。ダークブルーガラス・乳白ガラスが有名。

Canne

カンヌ

吹きガラス用の吹き棹。

Cave

カーヴ

1、地下室、ワインの貯蔵庫。
2、リキュール類などのキャビネット。ナポレオン3世期より盛んに作られた。

Chope

ショップ

ジョッキ。ガラスとは限らない(銀・錫・陶器など)。

Coulage

クラージュ

流し込み。熔融したガラスを大理石や金属の台に流し込んで成型する工法。ルイ14世に開窯された Saint-Gobain サン-ゴバンがこの工法で大判ガラスを作った。

Coupe à champange

クップ ア シャンパーニュ

広口のシャンペングラス。

Cristal

クリスタル

15世紀より "verre cristallin venitien : ヴェネツィアン クリスタラン ガラス"と呼ばれるガラス製品があった。水晶のようなガラスを指していたが、現在では鉛含有率25%以上という規定がある。それに満たないものを Demi Cristal (=ハーフ クリスタル)と呼ぶこともある。

Cristal de Bohème

クリスタル ド ボエム

ボヘミアン クリスタル。17世紀に花開いたガラス器。硬く透明度が高いカリグラスと深いカットが特徴。

Daum

ドウム

Jean Daum ジョン ドウム(1825-1885)。1870年ドウム社創立。アール ヌーヴォーの主要ガラス工芸作家のひとり。Auguste オーギュスト(1853-1909) と Antonin アントニン(1864-1930))は息子。孫の Paul ポール(1888-1944)と Michel ミッシェル (1900-) はアール デコ期に活躍した。

Emaillage
Emaillé

エマイヤージュ
エマイエ

エナメル装飾(ほうろう・七宝)。発色材(コバルト・アンチモン・マンガン・銅・鉄などの酸化金属)とガラス溶剤の混合物を原料とし、筆による手書き、もしくは Pochoir (ステンシル・合羽版・型付け紙)を使用してガラス面に加飾する技法。その後、600度以下の低温で焼成。ガラス溶剤を焼成するという点においては、陶器の絵付けや、貴金属でいう七宝と原理は同じ。また、この処理を全面に施した鉄製品が俗に言う「ホウロウ」で、1890年頃より作られている。
ガラスとエナメル装飾:6世紀頃、現シリア首都のダマスで盛んになり、8世紀頃にはビザンチン帝国内で発達。15世紀にヴェネツィアで取り入れられると、「ヴァネツィア様式」の広がりとともに16世紀にはフランスへも伝わった。
1870年代に エミール・ガレ Emile Gallé がこの装飾法を好んで使用。産業美術(Art industriel :インダストリアル・アート)の先駆者であるガレは様々なガラス産業全体に大きな影響を及ぼしたが、このエナメル装飾も1880年ごろより富裕階級で流行。時は Art Nouveau (アール・ヌボー)、自然を題材としたモチーフが原色やパステルカラーで描かれた。
1900年前後より クリシー Clichy や メゼンタール Meisenthal などの工場が大衆向けのエナメル装飾ガラス器の量産を開始。人気モチーフは「花」。
第二次大戦後は、セリグラフィー(Emaillage par sérigraphie) や プリントシール(Emaillege par décalcomanie)、スプレー式(Emaillage par pistoletage) などへ進化した。

Favrile glass

ファヴリル グラス

Louis Comfort Tiffany ルイス ティファニーが考案した玉虫色のグラス器。ラスター彩。

Flint glass

フリント グラス

1676年、 George Ravenscroft ジョージ レイヴァンズクロフトが作った輝き・透明度の高いグラス。クリスタルの祖。ガラスの熔融燃料に木が禁止されたことから、彼はガラスの熔融温度を下げるために酸化鉛を加えたことがきっかけとなった。

Flûte à champagne

フリュット ア シャンパーニュ

フルート型(縦長)のシャンペングラス。16世紀頃から使用。

Girasol

ジラソル

18世紀フランスで作られた乳白ガラスの一種。錫混。

Gobelet

ゴブレ

コップ。ゴブレット。柄も脚もないものを指す。

Hanap

アナップ

中世からルネッサンス期に使用された銀製や錫製の脚付きの杯。蓋が付き、カギ付きもある。溶かされたものが多く、残存は少ない。

Lalique

ラリック

René Lalique ルネ ラリック(1860-1945)。アール ヌーヴォーの宝石デザイナーを経て、ガラス工芸を手がけるようになった。大型客船パリ号(1920年)・ノルマンディー号(1936年)のグラスセットで名声を確立した。

Lattimo

ラッチモ

(伊)乳白グラス。古代ローマにも見られ、特にヴェネツィアン グラスで人気を博した。当時高価だった磁器に似た質感も一因。

Mille fleurs

ミル フラー

ミルフィオリ。「1000の花」の意。古代エジプトから知られ、17世紀ヴェネツィア、19世紀フランスで流行した。

Murano

ミュラノ

ヴェニスのムラノ島。ヴァネツィアングラスの中心地として、特に15世紀以降、様々な技法を生み出した。

Opalin
Opaline

オパラン
オパリン

酸化鉄などの混入によって得られる乳白ガラス。王政復古期(1815-1830)に人気を博す。様々な発色材により多様な色のオパリンガラスが作られた。(オパリンの単語が辞書に登場するのは1907年のこと)

Opaline de foire

オパリン ド フォアール

19世紀末にガラス成型の機械化が進み、庶民の間に広がった乳白ガラス器のこと。雑な仕上げで、フォワール (foire = 縁日、お祭り)などで行商人たちが廉価で販売したことがこの名の由来。オパリン ド バザール (Opaline de bazar) とも呼ぶ。1900年から1930年頃までが最盛期で、フランス国内では ヴァレリスタル(Vallerysthal)・メゼンタール(Meisenthal)・トロワフォンテーヌ(Troisfontaines)・ポーチュー( Portieux)・ヴィエゾン(Vierzon)が主な製造地。

Ouraline

ウラリン

ウランガラス。ウラン発色によるガラス・クリスタル製品は1830年頃のボヘミアに始まったが、19世紀末のX線・ウラン放射線などの発見から、蛍光作用が脚光を浴び、ウランガラスが流行した。第二次大戦後は殆ど作られていない。

Overlay

オーヴァーレイ

色被せガラス、またその工法。

Plombage

プロンバージュ

ステンドグラスの繋ぎの工法。Plomb(鉛)を使用することに由来。

Pâte de verre

パット ド ヴェール

練りガラス。ガラス原料を型に入れてから熔融させる工法(鋳造法)。古代より護符・装身具が作られた。1880年代に Henri Cros アンリ クロが復活させると、多くの作家がアール ヌボー・アール デコ 期 を通じて作品を発表した。

Service

サーヴィス

1820年頃より幾種かのガラス製品(水差し・コンポート皿・マスタードポットなど)のセットのことをこう呼ぶようになった(それ以前は Ensemble オンソンブルと呼ばれていた)。現在のグラスセットの形(ワイングラス大小・水用グラス・デキャンターなど)が整うのは19世紀初めのこと。

Tankard

タンカー

柄と蓋付きのジョッキ。16世紀に登場し17世紀に広まる。ヨーロッパ北部に多い。

Verre à la calcédoine

ヴェール ア ラ カルセドワンヌ

貴石、特に玉髄に似せたガラス。15世紀ヴェネツィアで開花。

Verre à la façon de Venise

ヴェール ア ラ ファソン ド ヴニーズ

ヴェネツィア様式グラス。16-17世紀にムラノ産のガラス器を模してヨーロッパ各地で作られたガラス器。

Verre à la soude

ヴェール ア ラ スード

ソーダガラス。溶剤に炭酸ソーダを使用。加工が易しい。

Verre au potassium

ヴェール オ ポタシウム

カリウムガラス。溶剤に植物灰を使用、硬質で透明度が高い。カットに適する。

Verre craquelé

ヴェール クラックレ

急激な温度差により表面にヒビ模様をつけたガラス器。18世紀に流行した。

Verre de Corinthe

ヴェール ド コラント

19世紀ムラノで発明された、玉虫色のガラス。発掘される古代ガラスに似る。

Verre de fougère

ヴェール ド フジェール

Fougère は「シダ」。ドイツ語で Waldglas ヴァルトグラス(森林グラス)、英語で Weald glass と呼ばれる緑がかったカリガラス。中世ヨーロッパで作られた。

Verre façon camée

ヴェール ファソン カメー

カメオグラス。19世紀英国で流行。

Verre filigrane

ヴェール フィリグラン

糸状の白ガラスが混じるガラス。ネジレのあるものを特に"à torsades"と呼ぶ。

Verre moulé

ヴェール ムレ

鋳造ガラス。広義で型押し成型ガラスを指すこともある。

Verre moulé-pressé

ヴェール ムレ プレッセ

型押し成型ガラス。プレスガラス。Verre pressé と略されることもある。熔融したガラスを、複数の「割型」でプレスして成型。1827年、アメリカの New England Glass Company に勤務するEnoch Robinson が考案。1830年代にはバカラ・サン ルイなどがこの技術を導入。1864年にはほぼ全自動の機械が誕生、本格的な量産化に突入した。

Verre moulé-soufflé

ヴェール ムレ スフレ

型吹き成型ガラス。

Verre rubis

ヴェール ルビ

塩化金を発色材とした赤いガラス。1679年Johann Kunckelが特許取得。

Verre soufflé

ヴェール スフレ

吹きガラス。

ワイン関係

ワインオープナー(折畳み式・シンプル・鹿角・へリス式・キングスクリュー・ラピッド・クルー・ラム・ジグザグ・ハート型・シャンペン)・コルクスクリュー・ボトル敷き・ワイン立て・ボトルキャップ・コルクホルダー・ワインテスター(ボルドー&ブルゴーニュ・ボジョレー)・ソムリエナイフ・タンバル

Rafraichissoir

ラフレッシスワー

1、18世紀のワイン(飲み物)収納家具。
2、ワインボトルやグラスワインを冷やすための陶器・ガラス・金属製の容器。冷水や氷水を入れた。

キッチン用品

メジャー 計量カップ・レモン絞り・コーヒーミル(プジョー他)・ふきん・グラタン皿・テリーヌなべ・つぼ・ヨーグルト作り器・野菜ミル・パン生地切り・あみ・くるみ割り・へら・たまご切り・キャニスター・カップ・バスケット

Planche

プロンシュ

まな板。

Epicière

エピシエール

香辛料などの蓋付きの容器。銀器や陶器など。

Faisselle

フセル

ある種のチーズを作る際に、水切り・成型をする容器。穴が開いた土器や編み籠が多い。

Maie

メー

小麦粉を収納し、パンを練る台を持った田舎の小家具。15世紀に登場した。

Mortier

モルティエ

(料理用・薬剤用の)すり鉢。

Râpe

ラップ

おろし器。

デスクアクセサリー

卓上カレンダー・万年筆・ペン立て・ペン置き・インクつぼ・クリップ入れ・レターオープナー・レター立て・メモはさみ・ペーパーウェイト・文鎮・インク吸い・呼鈴

Boule presse papiers

ブル プレス パピエ

ペーパーウェイト。19世紀中頃に登場したガラス製の文鎮。

Sulfure

スュルヒュール

ペーパーウェイトの一種で、特に陶製カメオが埋められているもの。

喫煙具

タバコ立て・シガレットケース・ライター・灰皿(エビアン・ロト・ジタン)

古本(仏文学・詩集・哲学・警句・格言集)

(初版・絶版・希少本)カミュ・ランボー・ジョン コクトー・サガン・メリメ・サン=テグジュぺリ 星の王子さま・アンドレ マルロー・スタンダール 赤と黒・ジイド・アナトール フランス・フロベール・ボードレール・ボリス ヴィアン・モーパッサン・ヴォルテール・フロモンタン・ユーゴ・アポリネール・セリーヌ・サルトル・モンテスキュー・パスカル・ルソー・法典・研究書・絵本・漫画・BD・童話・児童本

Abécédaire

アベセデール

アルファベットを学ぶ本。

Achevé d'imprimeur

アシュヴェ ダンプリマー

書籍の最後に記される。日付・出版者・出版された街など。

Addenda

アドンダ

作品の追記の総称。

Almanach

アルマナ

暦・カレンダー・行事表などを含んだ本。革命前はプロパガンダ的用途もあった。

Anglaise

オングレーズ

イギリス風、の意味で「イタリック書体」のこと。18世紀に流行。

Atlas

アトラス

挿入地図。

Autographe

オートグラフ

著者直筆のサイン・一筆。

Bradel

ブラデル

皮に替わる厚紙の装丁。1790年頃、考案したパリの装丁屋の名前に由来する。

Belle page

ベル パージュ

「美しいページ」とは、本を開いた時の右側のページのこと。章の始まりやイラストが入ることが多い。

Bestiaire

べスチエール

動物を登場させる物語。

Biblomanie

ビブロマニー

本マニア。

Biblophile

ビブロフィル

古書・希少本などの愛好家・蒐集家

Bouquin

ブカン

(俗語)本

Bouquiniste

ブキニスト

(俗語)古本屋さん

Couverture

クヴェーチュール

装丁。

Dédicace

デディカス

(本の)第1ページに書かれる筆者自身による献辞。

Edition

エディション

本の出版、及び再版。

Edition originale

エディション オリジナル

初版。

Edition préoriginale

エディション プレオリジナル

単行本として出版される前の、雑誌などでの掲載文。

Encyclopédie

オンシクロぺディー

百科事典。

Envoi

オンヴォワ

(Dédicaceデディカス参照)

Epigraphe

エピグラフ

作者が何らかの意図をもって文頭に引用する文。同様の意図の挿絵などを指すこともある。

Epreuve

エプルーヴ

校正するための仮刷り。

Ex-libris

エクスリブリス

蔵書票・蔵書印。

Fac-similé

ファクシミレ

コピー。

Gaufrure

ゴフリュール

革装丁の浮き出し模様。

Gravure

グラヴュール

(広義で)挿絵版画。

Illustré

イリュストレ

「イラスト入り」、挿絵入りの書籍。

Incunable

アンキュナーブル

1500年以前の書籍を指す。活字印刷初期のもので数が少ない。

Mémoire

メモワール

回想録。

Missel

ミセル

ミサ祈祷書。

Ouvrage

ウヴラージュ

著作品。文学作品や科学書。

Princeps

プランセプ

古く希少な作品の初版。

Relieur

ルリヤー

装丁職人。

Reliure

ルリユール

装丁。Reliure pleine(カバー全てが革)もしくは Demi reliure(半分だけ革、残りは厚紙)に分かれる。

Tome

トム

「巻」。

古紙・絵画・版画

刺繍台帳・料理事典・医学事典・便利手帳・辞書・地理事典・楽譜

Biffure

ビフュール

版画:版数を限定する目的で原版につけるバツ印のこと。

Caprice

カプリス

皮肉やユーモアで描かれたデッサンや絵画のこと。18世紀に流行した。

Carton

カートン

絵画・フレスコ壁画・モザイク画・タペストリーなどの原寸大のデッサン図。木炭画が多い。

Chalcographie

カルコグラフィー

銅版画。また広義で金属版を用いた版画。1430年ごろにドイツ・イタリアで登場。19世紀初めにも大流行した。

Chromolithographie

クロモリトグラフィー

18世紀に発明された版画の技法。着色石版術。複数色の版画を可能にした。

Ciselet

シズレ

版画や金銀細工師が使う小ノミの総称。

Conté

コンテ

コンテ。1790年に Nicolas Jacques Conté により考案された。

Décapage

デキャパージュ

家具のニス・塗料などを落とすこと。

Eau-forte

オー フォルト

腐食版画。エッチング。16世紀より伝わる。

Ebauche

エボッシュ

(特に絵画・彫刻などの)下書き・下絵。

Epreuve

エプルーヴ

(版画)試し刷り。写真などにも使う言葉。

Esquisse

エスキス

(特に絵画・彫刻などの)下書き・下絵。縮小版を含む。

Estampe

エストンプ

木版画(Xylographie)。日本の浮世絵もこれに含まれる。中国で発明され、15世紀初めに西洋に伝わる。その後、銅版画(Gravure sur cuivre)、石版画(Lithographie)へと繋がる。

Estampille

エストンピーユ

焼き印。証印。

Ethylabelophilie

エチラブロフィリー

ワイン・お酒・びんなどのラベルのコレクション。

Glycophilie

グリコフィリー

角砂糖の包装紙のコレクション。

Gouache

グアッシュ

ガッシュ、水彩画。18世紀に流行。

Héliogravure

エリオグラヴュール

写真凹版(術)。写真の複製手段として1850年代に普及。

Impressionnisme

アンプレッショニスム

印象主義。1872年、Claude Monet クロード モネの作品を機に生まれた。Auguste Renoir ルノワール、 Cézanne セザンヌ、 Degas ドゥガなどが代表的作家。

Linographie

リノグラフィー

リノリウム版画。

Lithographie

リトグラフィー

石版画。18世紀末に確立。亜鉛やアルミ板なども使われる。

Loupot

ルポ

Charles Loupot シャルル ルポ(1892-1962)。グラフィックデザイナー。多くの広告を手がけた。

Marcophilie

マルコフィリー

消印などのコレクション。

Marge

マージ

(版画・書面などの)余白。

Matrice

マトリス

1、(版画の)原版。
2、貴金属アクササリーなどの文様の型。

Mucha

ムーチャ

Alphonse Mucha アルフォンス ムチャ(1860-1939)。チェコ出身のイラストレーター・画家・デザイナー。アール ヌーヴォー期、ポスターに秀作を残した。

Pastel

パステル

パステル画。その技法。17世紀に肖像画として人気を博した。

Pigment

ピグモン

色素。顔料。

Réplique

レプリック

作者自身による複製画。Copie コピーとは異なる。

Scripophilie

スクリポフィリー

国債・軍票などのコレクション。

Xylographie

クシログラフィー

木版。古代より存在し12世紀に西洋に伝わり、特に15-16世紀ドイツ・オランダで流行した。

ガイドブック

文化 芸能誌・スポーツ誌・カレンダー・宣伝・カタログ・チラシ・ポスター・サヴィニャック ビュバー・ミシュランガイド・ビバンダム・ホテルガイド・メトロRATP地図

CPA

セ ぺ ア

carte postale ancienne の略。1914年以前のポストカード(絵葉書)を指す。

CPSM

セ ぺ エス エム

carte postale semi-moderne の略。

Libonis

リボニ

Leon Libonis レオン リボニ(1844-1901)。著名なイラストレーター。1900年パリ万博のポストカード(リトグラフ)が有名。

額装

Lanvin

ロンヴァン

ランバン。Jeanne Lanvin(1867-1946)が開いた高級ブランド。有名女優の顧客を多く抱えた。

アクセサリー・貴金属

ブローチ・ネックレス・ペンダント・メダル・シャーム・シュバリエール・ロザリオ・ロケット・ビーズ・キーホルダー・コレクティブル各種

Agate

アガット

めのう。

Anneau

アノー

ローマの騎士がしていた金の指輪。

Bague

バーグ

リング部分だけで構成される指輪。貴石が埋め込まれるものもある。

Baguier

バギエ

指輪を置いたり納めたりするもの。皿状・脚付き皿や小箱など。

Barrette

バレット

1、髪留。
2、(勲章の)略章。
3、刺繍でモチーフをつなぐ糸・ブライド。

Boucles d'oreilles

ブックル ドレイユ

ピアス。耳たぶを挟むだけのものはブトン(Boutons)やクリップ(Clips)と呼ばれる。

Bracelet

ブラスレ

ブレスレット。

Brillant

ブリヨン

57もしくは58面にカットされたダイヤモンドのこと。

Broche

ブローシュ

ブローチ。身体に直接ではなく、衣服の上から身に付ける。

Brunissage

ブリュニサージュ

金・銀・銅などの貴金属のつやだし工程のこと。

Bulle

ビュル

皮や金属製のペンダントの一種。エトルリア人・ローマ人のころからのもので、若者の御守りにもされた。

Cabinet

キャビネ

貴金属アクセサリーの収納箱。16世紀以降、貴重品などを納めた小さな部屋のことを指すようにもなった。

Camée

カメー

カメオ。その歴史は古代ギリシャに遡る。オニックス・瑪瑙などの鉱石の他、琥珀・サンゴ・貝殻なども使われる。これを模した Wedgwood ウェッジウッド製品も人気を得た。

Carat

キャラ

カラット。ギリシャで計量に使用されたイナゴマメのタネ(karation)に由来。1907年に1カラット=0,2gと定められた。

Charms

シャーム

(英)ペンダント、またブレスレットに繋げられる小メダル。幸運を呼ぶもの。

Chevalière

シュバリエール

台座に貴石や紋章・イニシャルを刻んだ指輪。

Coq

コック

鶏。1797-1819年に使用された銀純度を証明する刻印。950/1000と800/1000の2種があった。

Denier

ドゥニエ

1、紀元前から11世紀まで流通した銀貨。ローマ皇帝の肖像がある。
2、カロリングス朝・カペー朝の小さな銀貨。
3、アンリ3世の頃の銅貨。1719年まで流通した。

Dupré

デュプレ

Augustin Dupré オーギュスタン デュプレ(1748-1833) 。貨幣・メダルの彫刻家。最初の5フラン硬貨も彼の作品。

Electron

エレクトロン

古代のアクセサリーなどで使われた金と銀の自然合金。

Emeraude

エメロウド

エメラルド。

Fantaisie

フォンテジー

貴石を使わないアクセサリー。1900年のパリ万博で名付けられた。それ以前はイミタシオン imitation (模造)と呼ばれていたもの。

Filigrane

フィリグラン

金・銀などを細い糸状をベースにモチーフを形成する工法。エジプト・ギリシャ・ローマなどでも既に使われていた。材料を節約する効果がある。

Fleur de coin

フラー ド コイン

未使用プルーフ硬貨。

Franc

フラン

14世紀に遡るフランスの貨幣単位。英国に人質になったフランス国王の身代金用として作られたのが最初。ユーロの登場で消滅した。

Fritte

フリット

古代エジプトのガラス質の護符や印章。陶器の焼成時に、表面に現われたガラス状の物質を発見したと推測されている。

Ivoire

イヴォワール

1、象牙。象牙製品。フランスでは5世紀より作られている。1989年より輸入禁止。
2、(広義で)カバ・サイ・猪・マンモスなどの牙や歯。

Jadeglass

ジェードグラス

翡翠(ひすい)に似せた色ガラス。20世紀初め、アクセサリーや装飾品に広く使われた。

Jaseron

ジャズロン

組み紐状の金のチェーン。19世紀初めに流行した。

Jeannette

ジャネット

十字架のアクセサリー。主に金・銀で、貴石の埋め込みも多い。

Maillechort

マイユショー

洋銀。銅・亜鉛・ニッケルの合金。1828年頃 Maillot マイヨと Chorier ショリエの二人が考案。1937年から硬貨にも使われた。

Martelage

マルトラージュ

金属の槌打ち。成型や厚さを整えたりする。手間が掛かるので貴金属しか扱われない。

Martelé

マルトレ

19世紀末に槌打ちで作られた主に銀器の俗称。

Minerve

ミネルヴ

1838年より使用されている銀器の刻印。ギリシャ神話のミネルヴァの横顔がモチーフ。

Numismatique

ニュミスマティック

古銭学。古銭・メダルのコレクション。

Pendentif

ポンドンティフ

1、ペンダント。
2、(宝石商用語で)イアリング・ネックレス・ブレスレットなどの「ぶら下がっている」パーツ。

Placage

プラカージュ

金張り・銀張りのこと。

Poinçon

プワンソン

刻印。保証刻印。

Pomponne

ポンポンヌ

金や銀に似せた銅合金およびその製品。考案者(Turgot と Daumy)が18世紀パリのポンポンヌ館にいたことに由来。それまで金銀の模倣は全て禁止されていたが、ルイ15世は特別認可を与えた。「庶民の金」と呼ばれた。

Sheffield plate

シェフィールド プレート

1742年に同名の街で考案された銀メッキ工法。大成功したが、メッキを薄くしたことで不評を買い、19世紀後半のガルヴァーニ電気法の登場と共に衰退した。

Silver plate

シルバー プレート

特に電気法による銀メッキ、その製品のこと。

Strass

ストラス

(主に)ダイヤモンドに似せた酸化鉛を原料とする人工石。発明者 Georges Frederic Strass (1701-1773)に因む。

Titre

ティトル

金・銀など貴金属含有量(%)。

Vermeil

ヴェルメイ

銀地に金仕上げのもの。16世紀に登場。

小物・携帯品・裁縫

手鏡・体温計・ハンカチ・スカーフ・靴べら・くし・ハンドバック・トートバック・ソーイングセット・リボン・生地・リネン

Batiste

バティスト

麻・綿の布地。薄く、輝きがある。下着などに使われる。

Bouton

ブトン

ボタン。貝・角・骨・象牙・金属など多様。Boutons d'equipage と呼ばれる狩猟服ボタンが特に人気。「ヴェネツィア様式」のガラスボタンも有名。

Burano

ビュラノ

16世紀から18世紀にかけてレース飾りが盛んだったヴェネツイアの村。1675年にコルベールが産業をフランスに移してから衰退した。

Cretonne

クレトンヌ

クレトン。厚手のプリント地。19世紀初めにノルマンディー地方で作られ始める。Creton 村の名前に由来(?)。タペストリー・カーテン・イスのカバーなどに使われる。

Dentelle

ドンテル

レース、レース飾り、レース細工。

Marli

マーリ

1765年に考案されたレース編み。錘(つむ)によるこのレースは直ぐに流行した。ピコ(縁飾り)が特徴で、Tulle チュールの起源とされている。

Picot

ピコ

ピコ、ピコット。レースの縁飾り。

Réseau

レゾー

(レース編みで)ベースとなる網。

Trame

トラム

横糸。(縦糸=Chaine:シェーヌ)。

Vinaigrette

ヴィネグレット

ヴィネガー(酢)を染み込ませたスポンジを収めた小箱。18世紀の貴婦人は事あるごとに気を失ったり、具合が悪くなったわけです。そんな時にヴィネガーを嗅ぐ習慣がありました。

バスルーム アクセサリー

香水びん・化粧水瓶・バギエ・歯ブラシ立て・綿棒立て・ブラシ・薬入れ・パウダー箱・小箱

Flacon

フラコン

小びん。香水瓶。

Vide-poche

ヴィッド ポッシュ

18世紀に誕生した小さなテーブル。引き出しが付き、夜に Poche=ポケット を Vide=空にする ためのもの。同目的の小皿・ボウル・お盆などもそう呼ばれる。

花びん

花瓶・一輪挿し・植木鉢・花瓶隠し

Burette

ビュレット

球形の下部と細長い首が特徴の小さい花瓶。もともとローマ人が飲み物や油、香水などを保存したもの。

Cache-pot

カシュ ポ

装飾用の植木鉢隠し。17-18世紀に陶器製の素晴らしいものが作られた。

Jardinière

ジャーディニエール

(室内やバルコニー用の)園芸ポット。

照明(蝋燭立て・電灯)

カンテラ(SNCF)・電笠・ランプシェード・つるし電灯・電気スタンド・卓上電気・壁灯・天吊

Anse

オンス

ブジュワー(参照)の握り部分。

Binet

ビネ

ろうそくをホールドする「ソケット」部分。

Bobèche

ボベッシュ

ろうそく立ての「ろう受け」の部分。

Bougeoir

ブジュワー

携帯可能なろうそく立て。18世紀に登場、19世紀に普及。ろう受け・柄(握り)が不可欠。

Bougie

ブジー

ろうそく。ロウの産地ブジー(アルジェリア)に由来。

Candélabre

コンデラーブル

1、(複数の枝を持つ)ろうそく立て。起源は古代ギリシャやローマに遡る。ブロンズや大理石にはじまり、銀・ガラス・陶磁器でも作られる。
2、1のような左右対称のモチーフ。

Chandelier

ションドリエ

ろうそく立て。ろうが垂れるのを防ぐBOBECHE(ボベッシュ)、心棒のTIGE(ティージュ)、台座のPIED(ピエ)から成る。

Flambeau

フロンボー

17世紀以降、Chandelier ションドリエを指す言葉。特にBOBECHE(ボベッシュ、ろう受け)が無いタイプを指すことが多い。

Lampadaire

ロンパデール

街灯。フロアスタンド。

Lanterne

ロンテーヌ

カンテラ。ランタン。ランプ。

Lustre

リュストル

シャンデリア。18世紀に流行した。銅・木・クリスタル・磁器など多様。

Poussoi

プスワー

ろうそくの高さを調節できる仕掛け。19世紀のシンプルなろうそく立ての多くに見られる。

Suspension

ススポンシオン

つるし電灯。灯油(1880-1900年)から電気(1900年以降)へ移行した。

Wood

ウッド

アメリカの科学者R. W. WOOD考案の紫外線ランプ。ウッドランプ。古い絵画に施された近代の修復を見抜くことを可能にした。

装飾品・おもちゃ

インテリア:写真立て・壁掛け・額・壁飾り・ランプ ベルジェ・置物・ミニチュア・箱・小物入れ・刺繍マット
玩具:ゴム人形・バービー人形・着せ替え人形・ぬいぐるみ・テディベア・ブリキおもちゃ車・ミニカー・鉛兵隊

Barbedienne

バーブディエンヌ

Ferdinand Barbedienne(1810-1892)。19世紀末の多くの彫刻家の作品の鋳造者。

Beigneur

ベニヤ―

裸のベビー人形。「水浴する人」の意。

Bibelot

ビブロ

小さな置物のこと。陶器・象牙・ガラス・クリスタル・ブロンズ他、素材は問わない。

Biscuit

ビスキュイ

1、陶土器・陶器・磁器などで焼成が一度だけのもの。素焼き。釉の有無は問わない。
2、白磁の小さな人形のこと。18世紀以降、広くヨーロッパ全土で流行した。

Bonbonnière

ボンボニエール

キャンディーを保存する小箱。装飾性が大きい。18-19世紀に流行。

Bru

ブリュ

フランスの人形メーカー。1868年から1889年まで製造。

Brule Parfum

ブリュル パルファン

香炉。17世紀に中東から伝わった。

Calque

カルク

銅像・彫刻などのコピー(複製)、またそれを得るための蝋や粘土でとった型。

Corail

コライ

サンゴ。古来より様々な装飾品が作られている。

Drageoir

ドラジョワー

(ボンボニエール参照)

Ecaille

エカイュ

一般的には魚のウロコ・貝殻なども指すが、古物骨董では鼈甲(べっこう)のこと。

Emigrette

エミグレット

ヨーヨーのこと。革命当時の Emigré(亡命者)が遊んだことから。

Gouthière

グチエール

Pierre Gouthière(1732-1813) 。ルイ16世とマリー・アントワネットのお抱えブロンズ像制作者。作品にサインはしなかったが特徴的な木の葉で見分けがつく。

Icône

イコン

キリスト・聖母・聖者などの聖画像。ビザンチン・モスクワ・キエフ・ルーマニア・セルビア・ギリシャなどのものがある。

Jumeau

ジュモー

1846年創業の人形メーカー。1899年にSFBIに買収された。

Régule

レギュル

1835年頃英国で発明された鉛とアンティモンの合金。高価なブロンズ製品の代わりとして普及した。

Santon

ソントン

キリスト生誕の場面の模型の土人形。19世紀初めにマルセイユで誕生した。

Trophée

トロフェー

狩猟・戦争・競技・宗教などの記念の盾・メダル・壁飾りなど。トロフィー。

音楽

シャンソン・フレンチポップ・ディスコ(アズナブール・べコー・ベルジェ・リチャード クレイダーマン・ガル・ゴヤ・ミレイ マチュー・レジアニ・サードゥ・シェラ・ステファニー王女・アダモ・アントニー・バラボワン・ジャック ブレル・クラーク・フランソワ・ブリジット バルドー・セルジュ ゲーンズブール・ジャン ギャバン・フランソワーズ アーディ・ラマ・ラソ・エディット ピアフ・サルバドール・シルヴィ ヴァートン・ジョニー アリディ・エマーブル・禁じられた遊び

器機道具類

巻尺・かね尺・温度計・方位磁石・水平器・アイロン・かぎ鍵錠・かなづち・くぎ・かんな・ノコギリ・はさみ・双眼鏡・カメラ・8ミリ・万華鏡・扇風機・オルゴール・置時計・目覚時計・ダンベル

Baionnette

バイオネット

1、銃剣(銃の先端に付ける刀剣)。製作地 Bayonne(バイエルン)にちなむ。
2、指し込み式の: 特に(ネジ式でない)ソケットを指すことが多い。日本では「ピン式」「B型}と呼ばれる。

Balance

バロンス

秤(はかり)、天秤(てんびん)。

Balancier

バロンシエ

時計の振り子。

Baromètre

バロメートル

バロメーター。気圧計。1643年Toricelli が発明。水銀を利用。

Boite à musique

ボワット ア ミュージック

オルゴールのこと。

Burin

ビュラン

版画用のたがね。

Crémaillère

クレマイイェ−ル

暖炉に吊るす鉤(かぎ)。

Daguerre

ダゲール

Louis Daguerre ルイ ダゲール(1789-1851) 。写真機の商業化を行なった。

Espadon

エスパドン

15-17世紀の両刃の大剣。

Eustache

ウスタッシュ

折畳み式ナイフのメーカー。19世紀初めに Eustache Dubois ウスタッシュ デュボワが創業。

Horloge

オーロージュ

(機械式)時計。13世紀頃に登場。1648年Huygens(参照)が振り子を発明し発展を遂げる。。

Huitaine

ユイテンヌ

ネジを巻かなくても8日間動く時計。

Huygens

Christian Huygens(1629-1695)。オランダの物理学者。振り子(1648年)とぜんまい(1675年)を考案し、時計の性能向上に貢献した。

Jacquemart

ジャックマー

定時に作動する人形。14世紀に教会の鐘に登場したのが最初。

Lanterne magique

ロンテーヌ マジック

映写機。幻灯機。17世紀に発明、19世紀後半にブームを起こす。1895年に Lumièreルミエール兄弟が発明した映画に繋がった。

Lefaucheux

ルフォシュー

Casimir Lefaucheux(1802-1852)。綴り薬莢(弾薬)の考案した武器商人。1858年より海軍ご用達。

Sablier

サブリエ

砂時計。

Seau

桶、バケツ。

Niepce

Joseph Nicephore Niepce(1765-1833)。フランスの物理学者。写真の発明者(1829年)。

Oignon

オニオン

17-18世紀に流行した大型の懐中時計。

Outil

ウティ

道具。

Pendule

ポンデュル

掛時計、置時計。

Rabot

ラボ

鉋(かんな)。19世紀に登場。

Râpe

ラップ

やすり。

Religieuse

ルリリューズ

置時計。シンプルで黒い本体が religieuse 修道女を連想させることから。

Réveil

レヴェイ

目覚時計。

Stéréoscope

ステレオスコープ

ステレオスコープ。1851年David Brewster がロンドン万博に出品。

Trusquin

トゥルスカン

罫引き(大工道具)。平行定規。

DIY素材・日曜大工・建具

洋服かけ・ソケット・

Carreau

キャロー

タイル。窓ガラスを指すこともある。(Carrelage=タイル張り)

Crochet

クロシェ

フック。

Girouette

ジルエット

風見鶏。古くは鍛鉄で作られ、19世紀末からブリキ製へ移行した。

Interrupteur

アンテールプター

電気の開閉を操作するスイッチ。

Poingée

ポワニエ

ドアノブ。取っ手。

Robinet

ロビネ

蛇口。

ブリキ箱

菓子箱

ホウロウ製品

石けん置き・洗面器・ポット・しゃもじ・弁当箱・マッチ入れ・ふきん掛け・ちりとり・ホーロー雑貨・如雨露

Email

エマイ

(Emaillage エマイヤージュ参照)。

その他・全般

Antiquaire

アンティケール

古物骨董商。古美術商。完全な状態の商品を保証付きで販売することが原則。(Brocanteur ブロコンター参照)

Bahut

バユ

本来は18-19世紀に衣類や食器などを収納した長持のこと。木製で革張りされていることが多い。近世になり、大型のタンスや食器戸棚などを指すようにもなった。

Beigneuse

ベニユーズ

寝台ソファー。ナポレオン帝政期に登場。浴槽の形に似た楕円形からこう呼ばれた。

Baldaquin

バルダカン

玉座・祭壇・ベッドなどに付く天蓋・屋根。

Balustre

バルストル

1、バラスター。イスの背もたれ部分などの装飾用の支柱。ルネサンス期より流行。
2、バラスターグラス。ヴェネツィア様式のグラス器に見られる、バラスターを思わせる装飾があるもの。

Bambou

バンブー

竹。19世紀に東洋より輸入され、庭やベランダ用の軽量の家具が流行した。

Banc

ボン

(複数人が並んで座れる)ベンチ。教会や田舎の農家などで使用。背もたれは有無がある。

Banquette

ボンケット

応接室などの数人掛け用ソファー。中世は石製。

Barbière

バービエール

男性用の化粧台。

Baroque

バロック

17世紀にイタリア・フランスで流行した様式。18世紀には渦巻や花輪模様が特徴的。ロカイユ・ロココに通じる。古典的なルネサンスとは対照的。

Bas-relief

バ ロリエ―フ

浅浮彫り。

Basse-taille

バス タイユ

金箔・銀箔などに上塗りする透明度のある琺瑯(七宝)技術のこと。

Bavure

バヴュール

金属製のものに見られる「はみ出し」のこと。割型の合わせ目に金属が入り込んでできたもの。バリ。

Beauvais

ボヴェ

パリの北に位置する街。1664年コルベールが興したタピスリー(タピストリー)工房で有名。代表的な作家として、Jean Berain、Jean-Baptiste Oudry、François Boucher。

Bergère

ベルジェール

ルイ14世様式の典型的な大型の安楽いす。

Beurdeley

バードレー

Alfred Beurdeley(1808-1882)。ルイ16世様式家具の複製を手がけた家具師。ナポレオン3世宮廷で人気を得た。

Bocage

ボカージュ

樹木・葉・花の装飾模様。18世紀英国で流行。

Bois de bout

ボワ ド ブ

木目と直角に(木が立っていた状態に上から下へ)切った板。

Bois de fil

ボワ ド フィル

木目の向きに切った板。

Bois de merrain

ボワ ド メラン

(のこぎりではなく)斧で裂いた板。反りにくい。

Boiserie

ボワズリー

床・壁・天井などの板張りのこと。彫刻や金箔、漆塗りなどを施されることもある。

Boulle

ブル

Andre-Charles Boulle の名に由来する寄せ木細工の一種。

Bouquet

ブケ

家具や小物、布地などに彫刻・彩色された花束(ブーケ)模様のこと。

Breguet

ブレゲ

スイスの時計メーカー。Abraham Breguet(1747-1823)が創業。孫の Louis Clément(1804-1833)が電子時計を実現している。

Brevet

ブロヴェ

特許。Breveté は「特許を得た」の意。

Brocanteur

ブロコンター

古物骨董商。「あるがままの商品をお客様の判断で買って下さい」という方針。

Bruges

ブルージュ

フランドル地方の街。14世紀から18世紀にかけてタペストリー生産が盛んに行なわれた。ゴシック体の「B」とクラウンが目印。

Buffet

ビュッフェ

食器や食材などの収納家具を指す。

Bureau

ビュロー

書斎机。中世に聖職者が書き物をした麻引き机(Bure)に由来する。長方形・革張りの机上、3段引出し付きが一般的。

Cadenas

カンナ

ルイ15世期に貴族の間でもてはやされた、フォーク・パン・香辛料などを収めたケース。

Calicot

カリコ

綿の布地。Calcutta カルカッタから輸入されていた綿布に由来する。

Campan

カンパン

ピレネー地方で採れる大理石。

Canapé

カナペ

ソファー。17世紀後半より使われている言葉。18世紀に大流行し、リビングに不可欠な存在となる。

Canne

カンヌ

藤いす。18世紀に流行した。

Carcasse

カーカス

木製家具の骨組みのこと。

Chinoiserie

シノワズリー

17-18世紀に流行した中華風デザインの総称。建築・絵画・版画・家具などに影響を与えた。

Chippendale

チッペンデール

高級家具師 Thomas Chippendale(1718-1779)の名に由来する18世紀後半の家具スタイルのこと。1754年に彼が出版した The Gentleman and Cabinetmaker's Director の影響による。ゴシック・ロココ・中華風などが混じる。

Cipolin

シポラン

アルプス地方で採れる大理石。

Ciron

シロン

コナダニ。虫食いの犯人。

citronné

シトロネ

「虫食いのある」家具のこと。

Coffre

コーフロ

長方形の大箱。もとは嫁入り道具を収めた長持。中世には広く普及していた。

Coffret

コフレ

Coffre(参照)を小さくしたもの。当初は貴重品や重要書類などを収納した。かつらなどの小箱から化粧小箱などへ多様化した。

Collage

コンポジション

多様な素材を張り合わせること。1920年代に Braque ブラックや Picasso ピカソなどによって考案された。

Colonia

コロニアル

植民地のテイストを取り入れたデザイン。古くは南米、後にはアフリカ・北アフリカの影響を受けた。

Commode

コモッド

たんす。高さ80cm前後、数段のひきだしが一般的。当初は脚付きが多かった。

Coquillage

コキヤージュ

帆立貝のようなモチーフのこと。17-18世紀に流行。

Couverte

クヴェルト

釉。(Emaillage 参照)

Craquelure
(Craquelé)

クラックリュール
(クラックレ)

絵画の絵の具や、家具の表面(ニス)のヒビ割れのこと。

Col de Cygne

コル ド シンニュ

白鳥の首のような曲線モチーフ。彫刻のデザインや、銀器の柄・家具の脚などの形状にも見られる。

Dans son jus

ドン ソン ジュ

古物業界用語で、「蔵から出てきたまま」のこと。掃除・修理など一切されていない状態。

Design

デザイン

英語(米語) Industrial Design (=インダストリアル デザイン)から派生。スタンダード化されながらも実用性とデザイン性が共存していること、またそうした商品。

Desserte

デセルト

半月形のテーブル。フランスではルイ16世の頃に普及。

Directoire

ディレクトワール

総裁政府時代。フランス革命(1789)・第1共和制の後、執政政府(1799-1804)・第1帝政 (1795-1799)まで。家具の様式では1789年から1804年までを指すことが多い。シンプル・地味で「菱形」モチーフが特徴。

Dorure

ドリュール

金張り。古代より金属・木・石・石膏・革などに施されてきた。金箔、金泥塗りなど様々な方法がある。

Dossier

ドシエ

イスの背もたれ、またベッドの枕もとの板。

Dubois

デュボワ

Jacques Dubois ジャック デュボワ(1693-1763)。18世紀の代表的な高級家具師。ロカイユ様式でルイ15世の家具を製作した。

Dufrene

デュフレン

Maurice Dufrene モーリス デュフレン(1876-1955) 。1930年代に活躍した装飾家(デザイナー)。Galeries Lafayette ラファイエット デパートより家具を販売しアール デコ様式を大衆化させた。

Ebeniste

エベニスト

高級家具師。17世紀より使われている言葉。一般的な(金具などの装飾のない)家具を扱うのは menuisier ミュニジエ。

Eclectisme

エクレクティスム

多様性。折衷主義。ドイツ人哲学者 Winckelmann ウィンケルマンが定義。

Ensemblier

オンソンブリエ

居住空間をトータルでコーディネートする装飾家・デザイナー。1925年に登場した新語。

Etain

エタン

錫。錆びないことから多くの容器が作られた。鉛の含有量が多いと毒性があるため、品質を証明する刻印がある。

Fauteuil

フォタイュ

ソファー。

Feston

フェストン

花・葉・果実・リボンなどの装飾模様。古典・ルネッサンス・バロック・新古典様式を通じて用いられている。

Feuille d'eau

ファイ ドー

ヨシ・葦のモチーフ。摂政時代(1715-1723)に流行、19世紀末にはアール ヌーヴォーにも取り入れられた。

Garde-robe

ギャード ローブ

もと衣服を納めた小部屋。のちに収納たんすを指すようになった。

Garniture

ガーニチュール

高級家具に付いている金属性の装飾部品。

Gobelins

ゴブラン

1662年、ルイ14世により創設されたヨーロッパ随一のタペストリー工房。アンリ4世の招聘で1607年よりパリに家具工房を開いていたゴブラン家より発展。フランス革命により1789年から1795年まで閉鎖されるも、アール ヌーヴォー期に再興。20世紀には Picasso ピカソや Matisse マティスなどのデザインによる作品を作った。

Gothique

ゴティック

ゴシック様式。12世紀後半-16世紀。建築・絵画・彫刻など広く影響した。家具では植物のモチーフが多く見られる。

Grotesques

グロテスク

「奇妙な」模様。15世紀に発見されたローマ時代の"grottes 洞窟"で発見された文様に由来。

Guillochis

ギヨシ

編み縄模様。17世紀初めに流行。

Haut-relief

オ ロリエーフ

高浮彫り。凱旋門の彫刻など。

Haute Epoque

オット エポック

中世からルネッサンス期ぐらいを指す。17世紀初めまでを指すこともある。

Hermès

エルメス

ギリシャ神、ヘルメス。商人や泥棒の守護神。ゼウスとマイアの息子。

Hydre

ヒュドラ。七頭の怪蛇、またその文様。

Jacob (les)

ジャコブ

ルイ15世期からルイ・フィリップ期の著名な高級家具師の一族。Georges Jacob ジョージ ジャコブ(1739-1814)が創業、息子 Georges ジョージ( 1768-1803) ・François Honoré フランソワ オノレ(1770-1844、Jacob Desmalter と名乗る)、さらにその息子Georges Alphonse Desmalter ジョージ アルフォンス デマルター(1799-1870)が活躍した。

Knoll

Hans Knoll が1938年、ニューヨークに創業したインテリアメーカー。Mies van der Rohe、Saarinen、Pollock などのデザイナーが活躍した。

Lambris

ロンブリ

内壁・天井の上張り板。

Laquage

ラッカージュ

漆塗り。ラッカー塗り。東洋から伝わった。

Liberty

リベルティ

アール ヌーヴォー期の頃、ロンドンの家具・装飾品店Liberty & Co.の商品に発した様式。ヨーロッパ各国で独自の呼び方をされた。ちなみに英国では「モデム スタイル」、スペインでは「モデルニシモ」。

Limaçon

リマソン

カタツムリ。家具の脚部などの螺旋模様。

Louis XIII (style)

ルイ13世様式。1600年から1660年頃。渦巻き(螺旋)模様・バラスター・アンフォラ(古代ギリシャ壺)が特徴。

Louis XIV (style)

ルイ14世様式。1661年から1715年頃。優雅・華麗が特徴。

Louis XV (style)

ルイ15世様式。1715年-1774年。ロココ様式と新古典様式。キーワードは曲線・非対称・パステルカラー。

Louis XVI (style)

ルイ16世様式。1774年-1793年。古典様式の復活。キーワードは曲線・花模様・対称。ポンペイ遺跡の発掘で古代遺跡に因んだモチーフも流行。

Louis-Philippe (style)

ルイ-フィリップ様式。1830年-1848年。王政復古期の折衷様式の復活。新たに台頭したブルジョワ(富裕階級)の好みが反映された。工業生産品の広がりもこの頃。

Majorelle

マジョレル

Louis Majorelleルイ マジョレル。ガレと共にアール ヌヴォー期に活躍した装飾家。1918年以降はより純化されたデザインをした。

Marqueterie

マルケットリー

寄せ木細工。きりばめ細工(錫・象牙・真鍮・鼈甲などを用いる)。

Modem style

モデム スタイル

(Liverty リベルティ参照)

Mosaïque

モザイク

モザイク模様。ガラス・石・陶器・七宝・大理石など多様。ビザンティンのものが最高峰。

Nancy (école de)

ノンシー (エコール ド)

ナンシー派。1901年より総称されるインダストリアル・アートの運動。ガレ・マジョレル・ドウム兄弟が活躍。印象派の影響を受け、自然をモチーフとし、アール ヌーボーの流れを作った。1914年、第一次大戦を迎えその役目を終えた。

Palmette

パルメット

幾何学的な葉の模様。古代より存在するが、ナポレオン帝政期にも人気を得た。

Papier maché

パピエ マシェ

紙と糊やゴムなどを混ぜたもの(紙粘土)が原料で、その後プレス成型し乾燥させたもの。ラッカー仕上げされたものが多い。置物・人形・プレート・パンくず拾い(塵取り)などが作られた。

Patine

パティンヌ

ラッカー・ワニス。また家具・絵画などの古色・古ツヤ。

Phaléristique

ファレリスティック

勲章・軍記章などのコレクション。

Pied

ピエ

家具の脚。また、蝋燭立て・グラスなどの脚。

Pied de biche

ピエ ド ビッシュ

ルイ14世・15世様式家具に特徴的な脚で、鹿のひづめを思わせることから。ブロンズ装飾が付くことが多い。

Quadrilobre

クアドリローブル

四つ葉の装飾模様。Quatre-feuilles とも言う。

Régence (style)

レジョンス

摂政時代様式。1715-1723。ルイ14世様式の優雅・華麗とルイ15世様式のロココの過渡期。

Reliquaire

ロリケール

聖遺物箱。

Restauration

レストラシオン

王政復古様式(Louis XVIII ルイ18世と Charles X シャルル10世)。1815-1830。傾向としてルイ15-16世様式への回帰。

Rinceau

ランソー

唐草模様。

Rocaille

ロカイユ

ロカイユ様式。17世紀以降に見られる貝の渦巻きの模様。

Rococo

ロココ

ロココ様式。ロカイユとバロックの影響による。植物・貝・渦巻き・アラベスク模様が特徴。

Rosace
Rosette

ロザス
ロゼット

ばら模様。

Rustique

ルースティック

大きくシンプルで田舎家向けの家具。17-19世紀は「地方の家具」を指した。

Sablage

サブラージュ

コンプレッサーで Sable(砂)を吹きかけ、ガラス・金属・陶器などの表面に傷を付ける装飾法。

Savonné

サヴォネ

彫刻模様が磨耗した状態。本来「石けんで洗った」「石けんの泡が立った」の意。

S.G.D.G

エス ジェ デ ジェ

特許に関する記述。sans garantie du gouvernement の略で、直訳すると「政府(国)の保証は無い」。特許権自体は国が保護するが、特許対象となった新技術等に価値や実効性があるかどうかまでは保証しません、という主旨。機械工業により量産化が進んだ19世紀末から第二次大戦頃までの製品によく見られる。

Second Empire (Style)

スコンド オンピール

第二帝政様式。広義でナポレオン3世期と第3共和制初期までの様式を指す。余りに多様で統一性はない。

Secrétaire

セクレテール

書斎机。施錠可能な引き出し付き。17-19世紀に広まった。

Sphinx

スフィンクス

スフィンクス模様。ルネサンス期に再発見されナポレオン帝政期まで使われた。ちなみに、ギリシャのスフィンクスは翼があり半身女性のライオン、エジプトでは人間の頭をしたライオン。

Tabouret

タブレ

背もたれ・肘掛けのない腰掛け。フランスではルイ14世の頃に登場。王宮で専用のタブレを許されるのは大変な名誉だった。

Terre cuite

テール キュイット

テラコッタ。焼物。花びん・皿などから壁の装飾まで広く利用されている。

Terre de pipe

テール ド ピップ

18-19世紀英国のクリームウェアを似せて製造された陶器。鉛の釉薬による独特の白さをもつ。

Thuya

トゥヤ

クロベ。主にマルケットリーで使用される木。赤みがあり硬い。

Toilette

トワレット

Toile(トワル:布地)より派生。化粧台に化粧道具を置くときに布を敷いたことから。17世紀には化粧用の家具を指すようになった。

Trophée

トロフェー

田園風景・楽器・恋愛・軍隊などを象徴するモチーフを取り入れた装飾。ローマ人が寺院・凱旋門に用いたのが始まり。ルネサンス期・帝政期に流行した。

Tudor

テュドール

アンリ7世・8世・テュドール期の建築・装飾様式。「テュードル薔薇」が有名。

Vide-poche

ヴィッド ポーシュ

「ポケットをカラにする」の意。18世紀フランスで登場した小さな男性用化粧台。後に、小物入れや皿などの「ヴィッド ポーシュ」へと転じた。

Voltaire

ヴォルテール

同名のフランス人哲学者に因んだ、1830年考案のソファー。

Volute

ヴォリュット

渦巻・螺旋装飾。ルイ14世-ルイ15世の特徴的な装飾。


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マリアンヌ翻訳 090-6827-5463