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翻訳とは?

「直訳」「意訳」という言葉がありますが・・・

日本人のお客様がフランス語の資料の和訳を必要とされている場合には、「直訳」に近い翻訳文になります。 「いかにも翻訳文」という感じがあっても、「翻訳文であることを承知の上で」読まれるわけですし、「資料の文言をある程度忠実に把握したい」というお客様が多いからです。

これに対し、日本語文書のフランス語訳の場合は、「意訳」になります。 フランス人に読んでもらうための文書(文章)であれば、「最初からフランス語で書いた文書(文章)」のように仕上げるのが理想です。ですから、 読み手が「不自然さ」を感じることなく読めるように様々なことを考慮します。 ローカライゼーション的な作業も含まれてきます。例えば、「宜しくご鞭撻下さい」といった言い回しは、「お互い良い仕事をしていきましょう」などと書き換えることになります。 「ご鞭撻下さい」という社交辞令を使わない国民に「ご鞭撻下さい」と言っても、「???」と思われるだけなのです。大切なのは、「元原稿の一字一句が正確に翻訳されているか」ではなく、「読み手であるフランス人がどう感じるか(どう理解するか)」なのです。

フランス語の観光ガイドブックを日本人向けに和訳する場合のように、原文の表現を尊重しつつも日本語としてある程度まとまりのある翻訳文に仕上げた方がよいケースもあるでしょう。 この場合、「直訳」と「意訳」の中間的な仕上がりになるでしょう。

「直訳」か「意訳」かは、翻訳文の用途によって決まってくるものといえるでしょう。

翻訳とは?

「一語一句を置き換えていくと翻訳文が完成する」のであれば非常に楽なわけですが、翻訳という作業はそれほど単純ではありません。

翻訳で大切なことは、
@ 原文の意味を正しく伝えること
A 翻訳文を、日本語(フランス語)として正しいものに仕上げること
の2点です。

この2点を達成するために、様々な「工夫」をします。「工夫」をすればするほど、「一語一句を訳す翻訳」からは遠ざかります。 「複数の文を段落レベルで再構築(編集)しながらの翻訳」も特別なことではありません。「言葉」を訳すと言うより「要素」を訳すというイメージかもしれません。

以下において、日本語→フランス語の翻訳における「工夫」の例を簡単に紹介いたしますが、 「機械翻訳(自動翻訳)」などには絶対に無理な作業だと、お感じになることでしょう。
また、「元原稿と翻訳文を逐語的に比較・対照して『正確さ』を論じることの無意味さ」や「言葉の奥深さ」や「翻訳の難しさ」を感じていただければ幸いです。

● 正しい言葉・表現を使用する(直訳しない。辞書を鵜呑みにしない。「言葉」ではなく「意味」を訳す。)

例1-1 : フランス語のレッスン
(誤) leçon de français
(正) cours de français
*「レッスン」を「leçon(レッスン)」と言わないのです。ちなみに「プレセント」は「cadeau」です。「présent」と言っていたのはモーパッサンの時代でしょうか。

例1-2 : 火災の可能性
(誤) possibilité d'incendie
(正) risque d'incendie
*火災の「可能性」ではなくリスク(危険性)

例1-3 : 成績が伸びた。
(誤) Les résultats sont étendus.
→ 「étendre」は、「(足を)伸ばす」「(洗濯物を)広げる」という言葉。
(正) Les résultats se sont améliorés.
(=成績が向上した。)

● 必要に応じて「足したり・引いたり・ひっくり返したり・言い換えたり」する

例2-1 : 今年は事故が増えた。
(誤) Les accidents ont augmenté cette année.
(正) Le nombre d'accidents a augmenté cette année.
(=今年は事故の数が増えた)
*「事故」自体は、増加も減少もしません。

例2-2 : 私の夢は世界一周です。
(誤) Mon rêve est un tour du monde.
(正) Mon rêve est de faire un tour du monde.
*私の夢は世界一周をすることです。(名詞や名詞節を正しく使用)

● 読みやすく・理解しやすく・明確な文章にする

例3-1 : パリモーツァルト通り1960年火災
incendie de l'avenue Mozart de Paris de 1960
→ incendie survenu dans l'avenue Mozart à Paris en 1960
*「の=de」の一点張りは困りもの。「1960年にパリのモーツァルト通りで発生した火災」

● 前後の文章とのバランス、全体的なバランスを考える

例4-1 : 「反復」を避ける
Je pense que... Je pense que... Je pense que...
→ Je pense que... Je crois que... Je suppose que...
*「思います=penser」の一点張りは困りもの。

例4-2 : 「反復」によって並列関係を明確にする
les lois sur A, concernant B et relatives à C.
→ les lois sur A, sur B et sur C.

例4-3 : 「繰り返し」を避け、簡潔な文章にする
利益を増やすために、利益を増やすための対策を考え、利益を増やすように全力を尽くす。
(誤) Pour augmenter le bénéfice, je vais élaborer des mesures permettant d'augmenter le bénéfice et je ferai tous mes efforts pour augmenter le bénéfice.
(正) Pour augmenter le bénéfice, je vais élaborer des mesures nécessaires et je ferai tous mes efforts pour y parvenir. (=利益を増やすために、必要な対策を考え、その達成のために全力を尽くす)

例4-4 : 文脈に沿った翻訳をする
「宜しくお願いします」の仏訳文は、いつも同じではありません。
- Enchanté.
(=はじめまして)
- Je vous demande de faire le nécessaire.
(=必要な措置を講じて下さいますようお願いします)
- Je compte sur vous.
(=あなたに期待しています / あなたを当てにしています)
- Veuillez agréer l'expression de mes sincères salutations.
(=敬具)
- Je vous remercie d'avance.
(=前もってお礼を述べておきます)

● 言語的特性を考慮する

例5-1 : プロの翻訳家チーム
(誤) Equipe de traducteur professionnel
(正) Equipe de traducteurs professionnels
*複数の翻訳家がいないと、チームは成立しないため。日本語にはない「常識」。

● 慣習や文化的背景などを考慮する

例6-1 : 私は北村です。
Je suis KITAMURA.
→ Je suis Monsieur KITAMURA.
*自分にも「Monsieur/Madame」をつける。自分にも「さん付け」をする。

例6-2 : (田中部長宛ての手紙の中で)田中部長には感謝いたしております。
(誤) Je remercie le Directeur TANAKA.
(正) Je vous remercie.
*「(文頭などの)呼びかけ」を除き、相手は「vous(あなた)」。
*「肩書き+姓」という言い方もしない。

● 文章としての完成度を高める(元原稿の内容に起因するものも含む)

- 整然さを欠く文章(並列関係が不明瞭、何と何の比較かわからない、読みづらい)を再編集
- 稚拙な表現を改善
- 文全体のバランス(流れ、前後関係)を考慮し、再編集
- 文化的背景等の違いによる違和感や誤解が生じるリスクの回避

元原稿という「制約」がある中で上記のような様々な点を踏まえて「落としどころ」を決めてゆくのが、翻訳という仕事なのです。


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