フランスにおける行政訴訟(行政裁判)について



どこの国に住んでいても同じですが、公的機関(省庁・県・市町村・税務署・健康保険機構・公立病院など)の決定に納得できない場合がでてきます。

ここでは、フランスにおける行政訴訟について簡単に説明させていただきます。

「対応が遅い」「決定が間違っている」などの問題の場合、権利擁護機関(défenseur des droits)に介入を求めることもできますが、ここでは『行政訴訟』(contentieux administratif)について述べたいと思います。

行政訴訟において満たすべき条件

申立(requête)にあたっては、満たすべき幾つかの条件があります。

● 行政裁判所が扱う行政事件であること(民事事件や刑事事件でないこと)
訴えの対象となる「決定」(décision)が存在すること(「通知」や「案内」や「案」は不可)。「決定」が無い場合、当該機関に何らかの請求(demande)をし、それに対して得られる回答を以て「明示的決定」(décision explicite)とします。回答が法定期限内(2か月)にない場合は、「黙示的決定」(décision implicite)があったとみなされます
● 「決定」に対して、法で定められた「訴願(recours)」をしていること
● 「訴願」の却下(無回答を含む)から2か月以内(例外あり)に提訴すること
● 訴状がフランス語で書かれていること
● 管轄裁判所に提訴すること(間違っていても転送してくれますが)
● 行政裁判所(tribunal administratif)における損害賠償請求をともなう訴訟は弁護士が必要です(国務院(Conseil d'État)は例外なく必要)

損害賠償請求を除けば、行政裁判は基本的に決定の無効化(annulation)もしくは変更(réformation)を求める裁判になります。テレビで見るような「当事者双方の主張や事情を勘案して判決を下す」という感じではなく、「法令や判例に照らし合わせるとこういう判断にしかなりません」という判決が下される感じです。

申立手数料はかかりません。弁護士(任意、国務院は必須)費用については、「勝訴の際は相手方が支払うこと」と趣意書(conclusions)に含めておくのが普通です。

控訴はできません。法律が適切に適用されていないと思う場合は、国務院に判決の破毀(cassation)を求めることになります。


急速審理

判決が下されるまで数か月はかかりますので、「そんなに待てない」という場合には急速審理(référé)を請求できます。
但し、これにも条件があります。
決定の執行の停止を求める執行停止急速審理(référé-suspension)の場合、
- 決定の無効化(もしくは変更)の申立を既におこなっていること、もしくは、同時におこなうこと
- 緊急性(urgence)を証明できること
- 訴えの対象となる決定の違法性(の疑い)を証明できること

執行停止が認められれば、当該決定の執行は一時的に停止します。最終的な判断は、無効化(もしくは変更)の申立の判決によって下されることになります。

申立手数料はかかりません。弁護士(任意、国務院は必須)費用については、「勝訴の際は相手方が支払うこと」と趣意書(conclusions)に含めておくのが普通です。

控訴はできません。法律が適切に適用されていないと思う場合は、国務院に判決の破毀を求めることになります。




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