法定翻訳とは?

フランスには「traduction certifiée (conforme à l'original)」「traduction officielle」と呼ばれる制度があります。「(原本に相違ないことが)証明された翻訳」「正式な翻訳」という意味で、在日フランス大使館では「法定翻訳」の呼称を使われています。
簡単に言えば、「外国語文書のフランス語訳」や「フランス語文書の外国語訳」の信憑性を国として保証しよう、制度です。
ただ、国としては、申請される全ての翻訳文書をチェックして認証(査証)を与える作業をおこなうのは大変です。そこで、そうした作業をおこなう権限を特定の翻訳者に付与しています。
フランス国内では、「traducteur assermenté」(=(裁判所で)宣誓した翻訳者)が法定翻訳をおこなっています。「法廷」翻訳という言い方をすることがあるのは、「裁判所(=法廷)」との結びつきに理由があるようです。
日本においては、在日フランス大使館の指定を受けた翻訳会社(20社)と個人翻訳者(弊方のみ)が法定翻訳をおこなっています。

「原本に相違ないことが公的に証明された翻訳」である法定翻訳文書は、第三者に対抗できます。つまり、誰も「これは受け付けません」と言えません。これが、普通の翻訳会社が「忠実に翻訳したこと」を証する翻訳証明書との決定的な違いです。

なお、「原本に相違ないことが証明された翻訳」であるため、

1. 原本は必ず郵送していただかなくてはなりません。

2. 一部抜粋や省略(記入がない項目や注意書き等を除く)や加筆(補足説明等)はできません。こうしたことから、例えば戸籍抄本(個人事項証明書)から出生証明書を作成することはできません(公文書を作成できるのは官公庁のみです)。したがって、出生証明書の提出を求められた場合には、出生の事実を証明できる公文書(戸籍抄本など)の法定翻訳文書を以て代用することになります。これまでに沢山の日本人がそうした形で様々な申請をおこなわれ、無事に受理されています。また、日本円で記載された金額をユーロに換算して表記する等もできません。


在日フランス大使館公認翻訳者 北村昌彦 (フランス語翻訳マリアンヌ)