Q 1 : アルファベット表記の方法は?

パスポートの氏名表記は「ヘボン式ローマ字表記」が原則となっており、地名の表記もこれに倣っているのが実情です(例:東京は「Toukyou」ではなく「Tokyo」)。弊方が作成する法定翻訳文書においても、同表記法を採用しています。
ヘボン式ローマ字綴方表(外務省HP) 

Q 2 : 住所の「県」「市」「町」の扱いは?

国際的な慣習に倣い、住所の表記には、「県」「郡」「市」「丁目」「地割」「大字」といった『行政区画単位/土地区分』は含めません(例:パリ市=Paris、ニューヨーク州=New York)。つまり、東京都はTokyo、横浜市はYokohamaと表記します。日本のパスポートの「本籍」欄も、「Tokyo-to」ではなく「Tokyo」という形での記載がおこなわれております。なお、北海道の公式表記は「道」を含めた「Hokkaido」です。
但し、地名の一部と化していることが多い「区」は例外的に表記します(例:中央区=Chuo-ku。「中央に住んでいる」とは言いませんね)。また、行政町ではない「町」は表記します(例:歌舞伎町=Kabukicho。「歌舞伎に住んでいる」とは言いませんね)。
尚、書類の交付者たる自治体の名称については、「市」や「町」を翻訳します(例:横浜市=Ville de Yokohama)。

Q 3 : 氏名の表記方法は?

フランスでは、Alain DELON(アラン・ドロン)というふうに、名・姓の順に書きます。ところが、姓名を明示することを主目的とする場合は、姓・名の順に記載するのが一般的です。例えば、申請用紙などの姓名記入欄には「NOM, Prénom」と書いてあります。これには、「姓を『全て大文字』で記入し、その後にファーストネームを『頭文字だけ大文字でその他は小文字』で記入して下さい」という意味が込められています(日本でも、「フリガナ」と書いてあれば「カタカナでふりがなを記入」しますが、それとよく似ています)。
日本においては、2019年10月に「公用文等における日本人の姓名のローマ字表記について」が発表されました。
そうしたことから、弊方では「姓(全て大文字)・名(頭文字のみ大文字)」という形の表記を採用しています。

Q 4 : 学校名や会社名の表記方法は?

当該組織がHPにおいて名称の「英語表記」や「アルファベット表記」を記載している場合があります。それらは「国外向けの名称」として公表されているものと考えられますので、あえて仏訳はしないことにしております。書類の提出を受けた方が確認のためにネットで検索したらヒットする、というメリットがあるからです。但し、有名大学や省庁等、名称を仏訳しても通じ且つ仏訳することでフランス人が楽に読めるものについては、仏訳するほうが好ましいと言えるでしょう。


在日フランス大使館公認翻訳者 北村昌彦 (フランス語翻訳マリアンヌ)